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題名:チョコレートの摂取による天才への道
報告者:トシ

 時として、素晴らしい研究は罪となる。それが、チョコレートに関するものであったならば、チョコレート好きの人には朗報でもあるが、いかんせん好きな人はその行為(摂取)が過剰となる。それゆえに、罪となる。そのような研究が、Adam M Brickman博士を中心として、アメリカのコロンビア大学により成された。Brickman博士の2014年の論文によれば、チョコレートに含まれているココアの成分であるフラバノールを摂取すると、記憶を司る脳の海馬体の一部である歯状回に血流量の増加し、記憶力の大幅な改善が見られたことが報告されている2)。この研究に関して、共同研究者のScott Small博士曰く、「実験開始時に被験者が典型的な60歳代の記憶力を持っていたとすると、3か月後の被験者の記憶力は平均して典型的な30代か40代のものになっていた」2)とのことである。また、ドイツのテュービンゲン大学のAlexander N Sokolova博士を中心とする別の研究者も同様に、フラバノールは学習および記憶、特に海馬に関与する脳領域に浸透し、蓄積することを動物モデルからも示唆している3)。さらには、南オーストラリア大学のGeorgina E Crichton博士によれば、より頻繁にチョコレートを消費することは多くの認知能力に関連し、特に記憶関連のパフォーマンスが向上したと指摘している4)。これらの研究に基づき、チュコレートの摂取することで得られる効果は、端的に言えば、「ココアを摂取して天才になった」、あるいは、「チョコレートの摂取は、天才へと至る」となるのであろうか。そこで、これらの研究結果に基づいて、次に実践したくなるのが自己への実験であろう。すなわち、自らがたくさんのチョコレートを食べる(食べたい)ということに他ならない。
 チョコレートのメーカーは日本だけでなく、世界に目を向けると、とても多くあることが分かる。例えば、以前の報告書のNo.196でも示したバリーカレボー社は、カカオを扱う世界屈指の大手のメーカーである。そのため、どのメーカーのチョコレートが自己への実験にとってふさわしいのかの判断も難しくなる。そこで、ここでは、先の南オーストラリア大学のCrichton博士の研究に敬意を表し、オーストラリアのチョコレートメーカーを選んでみたい。そのメーカーの名はキャドバリーである。なお、ここでは、キャドバリーの中でもデイリーミルクチョコレートを選んだ。デイリーミルクチョコレートを訳すると、「毎日ミルクチョコレート」となり、過大解釈すれば、「毎日のミルク的なフラバノール」となる。すなわち、毎日摂取すると、ミルクによる健康だけでなく、フラバ

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図 デイリーミルクチョコレート5)

ノールで一日一日と天才への道を駆け上る、となるのかもしれない。はたして、その効果たるやいかに?
 
1) Brickman,A., et al.: Enhancing dentate gyrus function with dietary flavanols improves cognition in older adults. Nature Neuroscience 17: 1798–1803, 2014.
2) http://www.afpbb.com/articles/-/3030023 (閲覧2016.11.25)
3) Sokolova,AN., et al.: Chocolate and the brain: Neurobiological impact of cocoa flavanols on cognition and behavior. Neuroscience & Biobehavioral Reviews 37: 2445–2453, 2013.
4) Crichtona, GE., et al.: Chocolate intake is associated with better cognitive function: The Maine-Syracuse Longitudinal Study. Appetite 100: 126–132, 2016.
5) https://www.cadbury.co.uk/products/dairy-milk-2360?p=2360 (閲覧2016.11.25)



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