題名:宇宙からの重力(重力子)が、脳内における時空間の知覚にどのような影響を与えているのか?
報告者:ナンカイン
昨今、ブラックホールから計測された重力波が科学界を大いに沸かせたが(No.195も参照)、波は観察されども重力自体の存在は未だ謎である1)。これが解明されれば、間違いなく宇宙自体の存在も解明できるぐらいの存在が、実は重力でもある。その重力を伝えるのは重力子と呼ばれる粒子であるが1)、これも今現在、その存在が発見されていない。その重力子は、特段、宇宙だけに働くのでなく、宇宙の銀河系太陽系第3惑星も、あるいは、そこに住む我々も、日々影響を与えていることは間違いない。すなわち、我々人類は、重力子の影響を避けて通ることはできない存在であり、ミクロ的に観察しても我々を構成する分子や原子、素粒子といったありとあらゆる物質は、重力子の影響を受けざるを得ない環境下にある。一方、アルバート・アインシュタイン博士による相対性理論でもって、重力に伴う時空間の歪みは、これも周知の事実である。その歪みの波を観察したのが、先の重力波でもある。この重力による時空間の歪みを図示すると、図のようになる2)。図から、何もない時空間では左図のように歪みはないが、物質の質量に伴う重力があ
図 重力(質量)による時空間の歪み2)
ると、右図のように時空間の歪みが生じる。このようにして、重力(重力子)は時空間に影響を与えるが、この影響は宇宙の一部であるヒトの脳内でも無視はできないであろう。
それでは、ヒトの脳内における時空間の知覚は、どのようにされるのか。時間に関しては、脳内で作り出された内部情報を観測することによって初めて生じ、計時機能は小脳や大脳基底核にあるとされる3)。空間に関しては、嗅内皮質にあるグリッド細胞と海馬にある場所細胞との相互作用によって作られた脳内地図により可能となる4)。このことから、脳内の時空間を捉える部位は、小脳、大脳基底核、嗅内皮質、海馬が主となる。それらの働きは、それぞれ運動の制御や感覚信号の統合5)、運動のタイミング6)、外界のランドマーク7)、記憶8)になる。では、重力子はこれらの脳内の部位の働きに、どのような影響を与えるのか、を次に考えたい。
重力子は、上記の働きを歪ませると仮定すると、運動の制御やタイミングを狂わせ、かつ、感覚信号の統合も乱れさせる。あるいは、外界の位置を惑わせ、記憶も塗り替える、となるのであろうか。重力子は実際にそのような影響を与えているのかは判明できないが、少なくとも筆者の脳内は、年齢とともに重力子の影響が大となっているような気がしてならない。ただし、脳内の時空間の歪みは、重力子ばかりではない、とも感じる。
1) 大栗博司: 重力とは何か. 幻冬舎. 2012.
2) http://astarmathsandphysics.com/ib-physics-notes/125-relativity/1441-gravity-and-spacetime.html (閲覧2016.6.23)
3) 田中真樹, 他: 時間の測り方-脳による時間の符号化. BRAIN and NERVE 65: 941-948. 2013.
4) 日経サイエンス編集部: 空間を把握する脳のメカニズムを解明. 日経サイエンス 12: 30-31, 2014.
5) http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0311/cerebellum.html (閲覧2016.6.23)
6) http://www.nips.ac.jp/sysnp/ganglia.html (閲覧2016.6.23)
7) http://leading.lifesciencedb.jp/4-e001/ (閲覧2016.6.23)
8) http://gaya.jp/research/hippocampus.htm#8-1 (閲覧2016.6.23)