題名:個人の趣向に全てを委ねると知識の突然変異が起こりにくくなる
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.218の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
No.218にて人工知能の現状について報告するとともに、やがてWeb上の人工知能の技術が、個人を容易に同定する可能性について述べた。ここでは、その個人の同定について検討したい。
人工知能の技術により、Web上の画像が認識されるようになり、動物なら、それが猫であるか、あるいは、犬であるか、などの判断も可能となってきた。それとともに、Webを検索することで、個人が何を求めているのかも推測でき、スマートフォンなどの情報端末が各人に行き渡ることで、さらにその精度が増した。その技術の裏には、クッキーなるものがある。クッキーとは、ブラウザに保存された情報のことで、ユーザ識別やセッション管理を実現する目的などに利用される技術のことであるが1)、クッキーと言うと、何やら焼き菓子のクッキーの如き、美味しさが漂う。英語でも前述はCookie、焼き菓子はCookieとなり、まったく同じである。しかしながら、その匂いにつられてお腹を満腹にするのは、情報を裏で操作している側であり、端末に向かう個人ではない。よくサイトには、プライバシーポリシーなるものが明記され、「適切な広告を当サイト上でお客様に表示できます」とあるが2)、これは「あなたの好みの美味しいクッキーを差し上げますよ」と言うことに他ならない。しかしながら、残念なことに、知らず知らずに好みのクッキーを欲したからと言って、「コペンハーゲン ダニッシュミニクッキー」が、情報を裏で操作している人から頂ける訳ではない。何度も同じクッキーを欲する(委ねる)ことで、個人の趣向がより一層に明確となり、情報を裏で操作している人は、どんどんとそのクッキーでお腹がいっぱいになる。この人はこのクッキー(知識)が好きだなと、ばれてしまう。
話は変わるが、そのコペンハーゲンは、焼き菓子のクッキーでも有名な地域である。Ryesgade 118 2100 København Øに居を構える、Leckerbaerのクッキーはとても素敵であり、このようなクッキーならぜひ情報を操作されても構わない、と思えてしまう。情報のクッキーを、あえてクッキーと名付けた人は、先の「コペンハーゲン ダニッシュミニクッキー」や、このLeckerbaerのクッキーも食べながら、クッキーと命名したのであろうか。その真相は分からない。図にLeckerbaerのクッキーを示す。
図 Leckerbaerのクッキー3)
セサミストリートの名キャラクター、かのクッキーモンスターもチョコチャンククッキーが大好物であることが判明している(No.59を参照)。しかしながら、クッキーモンスターの偉大な点は、チョコチャンククッキーばかりではなく、その他のクッキーも山ほど食べ、果ては、クッキー以外のものも食べてしまう。そのことによって、食べ物に偏りがなく、食べ物に突然変異的な貪欲さが伴う。情報に裏で操作している人に踊らされないためにも、このクッキーモンスターの如く、知識にも突然変異を起こすべく、貪欲になることが今後個人にとって重要となるかもしれない。そうしないと、同じクッキー(知識)を食べてしまう(食べさせられる)。
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/HTTP_cookie (閲覧2016.3.15)
2) https://www.iscle.com/web-it/g-drive/adsense/ads-privacy.html (閲覧2016.3.15)
3) http://theartofplating.com/news/gourmet-cookies-from-leckerbaer-copenhagen/ (閲覧2016.3.15)