題名:短時間で熟したコクのあるカレーを作るには
報告者:エコノ
カレーは、おいしい。特に一日置いたような、熟した、かつ、コクのあるカレーはとてもおいしい。しかしながら、カレーを作った後に一日置いて食べる家庭は、まずないと思われる。そのようなことをしても、今日の夕食なりに間に合わない。カレーを作って、かつ、別の食べるものを作るなど普通の家庭ではありえない。それが当たり前である。そのため、一日置いたような、熟した・コクのあるカレーがおいしいと分かっていても、今日の夕食には作った直後のカレーを食べることとなる。しかしながら、夕食の残りのカレーを翌日に食べると、昨日のカレーよりもなぜかおいしく感じることが多い。それが、熟した・コクがあるという判断は別として、食材とルーなどが一体となってこなれたことが味の変化として現れた原因でもある。そこで、このこなれた状態を、熟した・コクがあるとみなして、このようなカレーを短時間で作るにはどのようにすればよいのであろうか。本報告書ではそれを分析したい。
こなれた状態であることから、食材の内部までにカレーが浸透した状態であることが考えられる。食材が大きければ大きいほど食べ応えがあるが、食材にカレーが浸透する時間はおのずと長くなる。そこで、まず一つは、食材をできるだけ細かくすることで、食材の内部にカレーが浸透しやすくなることが推測される。このカレーが浸透した状態は一種の熟した状態とも言えよう。そこで、
1. 食材はできるだけ細かくするべし
という案が一つ挙げられる。しかしながら、カレーのメインの食材として、玉ねぎ、人参、ジャガイモがあるが、ジャガイモは細かくするとパスパスな状態となるために、ジャガイモは通常の切り方で、その他の玉ねぎと人参をできるだけ細かくするとよい。場合によっては、玉ねぎ、人参はみじん切り、あるいは、すりおろすぐらいがちょうどよいであろう。ジャガイモが大きくなり、玉ねぎ、人参とのカレーの浸透に差が出る場合は、思い切ってジャガイモなしカレーでもよいであろう。あるいは、圧力なべを使ってジャガイモのみをカレーに浸透させるのもよい案となろう。
次に、この食材を炒める段階では、コクを出すことになる。コクを出すには、ルーだけでなく、カレー粉が重要となる。カレー粉をあえて炒める際に入れることで、食材に広くカレーの風味がコーティングされ、それがコクとなることが予測される。そこで、先ほどの細かい食材を炒める段階で、
2.食材を炒める時にカレー粉を入れるべし
という案が挙げられる。さらに、この炒める段階では、中途半端な炒め方でなく、玉ねぎが飴いろになるくらいにじっくりと炒めることがポイントとなる。すなわち、「カレー粉+やや焦げ寸前の飴いろ」が、より一層に食材にコクを与えるのである。肉も同じく、この時に炒めるが、肉は炒めすぎると硬くなる。そのため、肉は玉ねぎや人参と時間差を置いて炒めることが必要となる。
上記の2つの案を実行するだけで、その作った日に食べるカレーの味が格段に変化する。いわゆる一般家庭におけるその日に作ったカレーの味ではなく、お店のような熟した、かつ、コクのあるカレーとなる。ただし、注意すべきこととして、カレー粉とルーのメーカーは同じにした方が味のマッチングがしやすい。