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題名:プレゼンテーションの極意を身につける
報告者:ナンカイン

 本報告書は、基本的にNo.106の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 社会的に手を挙げることは、「没個性」に邁進した人であれば、苦に感じる。しかしながら、社会が求める社会人の像は、「個性」のある人であり、自己の自主性が目覚ましい人である。特に自己の自主性に自信をつけ、それを武器に、自己主張をいい具合に社会に還元させることができる人は、やがて社会的な地位も保証されやすい。小さい頃から「没個性」にならず、「個性」的に手を挙げ続けた人ならば、このような術に長け、本報告書は見なくともよいであろう。ただし、多くの人は、日本人的な「没個性」を身につけ、一般的な社会的な像とは裏腹に、様々な場面で「没個性」を「個性」に返還すべく、あらゆる苦況に遭遇するであろう。プレゼンテーションもその一つである。
 社会に出て、「個性」としてプレゼンテーションさせられる機会はとても多い。多いというよりも、むしろ全てである。何気ない会話であれ、商談であれ、そこには全てに渡ってプレゼンテーションの極意が必要となる。はたして、その極意とは?
 プレゼンテーションで有名なのは、やはり故Steve Jobs氏になろう。iPhoneの発表におけるプレゼンテーション1)は、Jobs氏の伝説的なプレゼンテーションの一つである。しかしながら、このような極意を身につけるのは、並大抵では不可能である。それというのも、Jobs氏自身が極めた「個性」を地で行く人だからである。そこで、これも参考にしつつ、「没個性」を「個性」とするには、日本的な見解もやはり必要とされる。そこで役に立つ良書が、Garr Reynolds氏の「シンプルプレゼン」2)となる。Reynolds氏はアメリカのアップル社で働いた経験だけでなく、日本の住友電気工業でも働いた経験があり、アメリカと日本の両国のよさを知りながら、プレゼンテーションの極意に精通した方である。その中で、日本人の「没個性」化は、誤った考えであることを指摘している。さらに、温泉をともに入る習慣のある日本人は、「裸の付き合い」に長け、その「裸の付き合い」の中にプレゼンテーションでの大事な姿勢が潜んでいることを説明している。すなわち、「障壁や仮面」をとり、互いに深いつながりを感じることが、プレゼンテーションでは重要なのである。このことから、プレゼン温泉では、皆が「いいゆです」と思える場を提供できることが、極意になる(図)。

prezenonsen

図 プレゼン温泉「いいゆです」

 Reynolds氏の「シンプルプレゼン」を手元に、プレゼンテーションを一般的にしたTED3)なども参考に、プレゼン温泉の湯加減を考えると、きっとあなたにもプレゼンテーションの極意が身につくに違いない。

1) https://www.youtube.com/watch?v=9hUIxyE2Ns8 (閲覧2015.12.12)
2) レイノルズ, ガー: シンプルプレゼン. 日経BPマーケティング. 2011.
3) https://www.ted.com/talks?language=ja (閲覧2015.12.12)



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