題名:音楽の原初的な感覚について
報告者:エコノ
音楽は人の感覚器官にダイレクトに触れることが多く、たぶんそれは聴覚という器官の特殊性が起因となっているからに違いない。視覚に比べて、嗅覚や聴覚はより原始的な感覚で、視覚の発達はそれなりだが、ヒトよりも嗅覚や聴覚が非常に優れている動物が多いことからもそのことが類推できる。一方、映像と音楽が一体となったMTV(Music Television)が台頭してから、音楽という聴覚のみを刺激しやすい媒体は、いずれ失われるかに思えた。しかしながら、音楽自体の記録媒体が、レコードからCD、MP3という実在するモノからネットを主体としたモノのない存在へと移行しても、音楽そのものの価値は変わらずに現在も存在している。ここでは、その音楽の存在について深く考えることを目的に研究してみた。
音楽の原初的な感覚はどこから来るのかについては、様々な見解があることに違いない。しかしながら、その起源を辿れば、ひとつのきっかけに繋がる。それは、母親の胎内の心音である1)。
明治乳業から面白いぬいぐるみが販売されている。ねんころりんという名だが、このぬいぐるみには胎内の心音を発生させる装置がついている。シャーシャーという単純な音楽だが、これが赤ちゃんを落ち着かせる音楽となっている。このことから、音楽の原初的な感覚は、母体の胎内の心音に由来するに違いない。
図 明治乳業のねんころりん2)
1) http://www.yamaha.co.jp/ongakukiji/news.php?no=13760 (閲覧2015.8.8)
2) http://www.amazon.co.jp/明治乳業-胎内音内臓ぬいぐるみ-ねんころりん-x/dp/B001AXADSK (閲覧2015.8.8)