題名:ハクチョンは事件動物として、緊急手配される。
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1206の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
ナカノ園長はNo.1206から続けてこう言った。「オキシトシンの働きは、“愛と絆のホルモン”という言葉で表現でき、「愛着を形成する」も、裏を返せば、人と人とのつながりが切れてしまいそうになる時、オキシトシンがそれを阻止しようとする行動を促進させる」1) のよ、と。そうして、オシエテホシかった、オキシトシンの働きは(No.1177)、こうして、少しずつ明らかとなる。
そこで、オキシトシンを実験動物ニワトリンに注射する。その結果、実験動物ニワトリンは不安を軽減し、友好的な振る舞いが増えた1)。ただし、「私から離れないで」、「私たちの共同体を壊さないで」、「私たちの絆を断ち切ろうとすることは、許さない」1)という、ニワトリンの鳴き声も聞こえた。宇宙空間でもあっても実験動物ニワトリン(No.1204)は、未だに、オキシトシンの支配下にいるのだ。
その支配下では、the Allure of Imperfection (不完全性の魅惑)として、© Rimel Neffatiの象徴主義的で超現実主義的なイメージの異彩を放つ。確かに見ている(図)。しかしながら、その眼差しの奥にあるのは、羽ばたきたいが、羽ばたけない白鳥なのだ。そうして、ここで、チェンジすることが示唆される。すなわち、ニワトリンは、やがて、くしゃみをするかの如く、ハクチョンに生まれ変わるのだ。プラチナのたまごから生まれたのは、ニワトリンではなく、ハクチョンだったのだ。
ただし、ハクチョンは実験動物としてではなく、オキシトシンに良く似た物質「アルギニン・バソプレシン(AVP)」へと、主な支配下を変える。それは、もはや実験ではなく、エイリアンVSプレデター(Alien vs. Predator)(略して、AVP)の事件にも似て、逃亡または闘争をベースにした絆のホルモン1)であることが分かっている。ハクチョンは事件動物として、緊急手配される。やがて、それ
図 白鳥2)
は、あらゆる紛争は、愛から始まった小さな干渉から起こるといってもよいくらい1)の事件にまで発展した。そうして、再び、ナカノ園長曰く「自分こそは愛と正義によって行動し、「愛は美しく、正しい」という思い込みにより思考停止すると、愛の支持する不寛容性に気づくことはできず、多くの人を傷つけることにつながる」1)のよ、と締めくくる。だから、オキシトシンの働きには細心の注意を払わなければならないのだ。妬み(*)の脳科学的な基盤となるのは、オキシトシンの分泌量にも関連する1)。そうして、一連の恋作事件は、事件動物ハクチョンの逮捕によって解決したかのように思えた。
しかし…。
*: 嫉妬が、自分が持っている何かを奪いにやってくるかもしれない可能性を持つ人を排除したい、というネガティブ感情であり、妬みは、自分よりも上位の何かを持っている人に対して、その差異を解消したいというネガティブ感情1)
1) 中野信子: シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感. 幻冬舎. 2018.
2) https://www.pinterest.jp/pin/155303887129288692/ (閲覧2019.5.15)