題名:オウム貝の生き様を探って
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1092の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
先頃の報告書にて、得られるものが何もない、から、貝を得た。それはやり貝といき貝の育て方であったが、それらとは別に、オウム貝というヒントを得た。そのオウム貝について、調べると、面白いことに貝殻状の殻を持っているが、貝ではなく、むしろイカやタコと同じ頭足類の軟体動物であることが判明した1)。現在のオウム貝は、南太平洋~オーストラリア近海の水深100~600mの海中に数種類生息しているが、それが生息し始めたのは、先の報告書でも示したように、4.5~5億年ものかつての古生代オルドビス紀に遡る1)。さらには、オウム貝は今日まで殆ど進化することなく生き永らえている、いわば生きている化石でもある1)。そこで、問題視されるのが、4.5~5億年の昔から、オウム貝には、ほとんど進化なかったものの、その彼らには、どのようなやり貝といき貝があったのか、その所在が気になる。進化せずとも、そこに彼らは何かを見出しているのか、いたのか。その生き様はどうなのか。気がつくと、徐々に大きな疑問へと至る。そこで、本報告書では、オウム貝の進化という観点から、彼らの生き様を探ってみたい。そして、その生き様を調べることによって、オウム貝への学びに通じる、筆者のやり貝が育ち始めたことにもふと、気づく。
頭足類に関して、特に、このオウム貝周辺の進化図を調べると、図のようになる。これを見ると明らかであるが、イカ類、タコ類も、オウム貝と同じ祖先がある。それがエラスメロセロス目である。そして、オウム貝から連想できる同じような形態を有しているアンモナイト目に関しては、6500万年前に絶滅している。そのため、アンモナイトは今では化石でしか見られないが、オウム貝は、化石だけでなく、貝殻も購入できる。さらには、水族館、例えば、沼津港深海水族館3)などで泳いでいる姿も見ることができる上に、一般的には捕獲、輸入することは禁止されているものの、飼育にチャレンジしたい場合は、海洋生物を扱っているショップにて実物を購入することもできる4)。もしかして、この報告書をきっかけに、オウム貝の飼育に、いき貝を見出す方もいるかもしれない。
図 オウム貝の進化図2)
水産学を専門とする琉球大学の池田譲博士によれば、頭足類の、その中でも、イカやタコは知的な振る舞いがあり、海の霊長類とも呼ばれる5)。オウム貝もその進化の系譜から、イカやタコとは似たもの同士の知的さを有しているに違いない。その生き様におけるやり貝やいき貝も、知的さにあふれているのか…次貝へ続く。
1) http://1st.geocities.jp/gemhall2/hsnt-nss-nautilis.htm (閲覧2019.2.25)
2) http://www.ammolite.co.jp/evolution/index.html (閲覧2019.2.25)
3) http://www.numazu-deepsea.com/dsfish1 (閲覧2019.2.25)
4) http://deepseafish.biz/archives/141 (閲覧2019.2.25)
5) https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=442 (閲覧2019.2.25)