題名:枕を起源とするもしかして論考
報告者:ナンカイン
本報告書は、基本的にNo.1028の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
先の報告書にて、中国の女優さんであるDilraba Dilmurat(迪麗熱巴)さんから、枕投げの一環として、画像から枕が投げられた。そして、その枕は枕詞となって、ちはやふるへと結びついた。ちはやふると言えば、「ちはやふる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みつくくるとは」であり、在原業平朝臣による「古今集」に相当する百人一首の17番の歌である1)。近年では、末次由紀さんによる漫画「ちはやふる」や、広瀬すずさん、野村周平氏を主演とした小泉徳宏監督による映画「ちはやふる -上の句-」、「ちはやふる -下の句-」、「ちはやふる -結び-」もあることから、最も有名な歌の一つともなったでもあろうその歌であるが、現代解釈は文献1)にあるように「さまざまな不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえも、こんなことは聞いたことがない。龍田川が(一面に紅葉が浮いて)真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは」となる。そして、その解釈を念頭に置きつつも、ここでは、それを、とある関連性として見做し、何らかのとっかかりとしつつ、以後、記述したい。それは、もしかして、もしかすると、百人一首の歌の真実なる背景を読み解くが如く、思考のオワコンをもステップアップさせることにもなりうるきっかけを生み出すチャンスをも秘めているかもしれない。言葉は映像/画像よりもさらに弱し、であろうとも、言葉は思考をまとめる唯一の方法でもあり、百人一首が現代まで残っているのは、偉人の思考の言語的な表現でもある。今まさに、自己をアップデートするための、if(図)でもって、言語的に、試行な思考を執行したい。
図 Dilraba Dilmuratさんのif2)
そもそも、枕自体はヒト以外の生物は使わない。枕が誕生したきっかけは文献3)にもあるように、「ヒトは変化した体の構造のせいで頭を横に向けなければならないなど、うつぶせ寝がしづらくなってしまった。そこで自然と仰向けに寝るようになった。仰向けに寝ると、今度は後頭部と地面に隙間が生まれる。その違和感を解消するため、枕を使用し始めた」とされる。その事の起こりは、所謂、肱枕や手枕であったとされるが、腕や手がしびれてしまう、他人の膝を借りるという欠点を解消しようとして物体としての枕が誕生したのでは、とも言われている4)。さらに、民俗学的な視点から枕を捉えると、枕には俗信も多く、魂の倉(魂魄の容器)(タマ・クラ)がつづまってマクラになったことから、枕は本来「個人の霊魂が宿るもの」、「枕を頭にあてると魂が肉体から離れて枕の中に宿る」とされ、身近なモノでありつつも、学問的にもまだまだ知られざる部分が多いことも指摘されている4)。
では、枕を投げるとは、魂を投げることにもなるのであろうか。
1) https://www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/017.html (閲覧2019.1.4)
2) https://www.facebook.com/standilireba/photos/pcb.674393739421138/674393706087808/?type=3&theater (閲覧2019.1.4)
3) https://getnews.jp/archives/2035412/gate (閲覧2019.1.4)
4) http://www.ic.daito.ac.jp/~uriu/thesis/2007/taura.html (閲覧2019.1.4)